第1日目
開催日 : 平成27年7月29日
場 所 : 田畑染飾美術研究所
講 師 : 五代 田畑 喜八先生
第2日目
開催日 : 平成27年7月30日
場 所 : 元西陣小学校
講 師 : 伝統工芸士 森垣 哲夫先生 / 石田 健司先生
子どもたちが、地元の伝統工芸である京友禅について学び、体験することを通して、伝統ある染色の世界に触れ、身近なものとして捉えてほしいと、今回で第5回となる「友禅体験学習」を開催しました。
1日目の講師は江戸時代(文化文政年間)より200年ほど続く友禅染の名門、田畑家の五代 田畑 喜八先生です。着物の図案、配色のデザインまで考案する仕事場で、沢山の資料に囲まれ、京友禅の特徴や歴史、工程についてお話いただきました。
講義の後は、田畑染飾美術研究所の2階で下絵の工程を見学しました。「友禅机」という机で生地を乾かすために炭火を置いて作業すること、使用する炭は「桐炭」といって火の粉が散って生地が焼けることのないよう粒子の非常に細かい特別な炭を用いていること、現在では多くの工房が電熱器などを使用するようになり、炭火を用いる工房はほとんどないことなど田畑先生から説明がありました。
続いて近隣の工場に場所を移し、引染の工程を見学しました。
引染とは、地色を染める作業です。水平に張った長い生地に染料を刷毛で均一に染めていく職人の方の技術に目を見張りました。工場はとても蒸し暑いのですが、京友禅には、ゆっくり、じっくりと乾いていくこの蒸し暑さが重要だと先生からお話もありました。
1日目の学習を踏まえ、2日目は友禅染体験を行いました。
伝統工芸士の森垣先生、石田先生から説明を受けた後、伸子(しんし)に張った生地に、一人ひとりが色を差します。皆熱心に作業に取り組み、それぞれの思いがこもったハンカチが完成しました。
完成したハンカチは、京の七夕のイベント期間中(8/1-10)堀川会場に展示し、友禅流しの様子を再現します。
猛暑の中、2日間連続のイベントでしたが、子ども達の積極性や集中力には深く感心しました。
この体験を通じて、京都の伝統文化について考える一つの機会となってもらえたら、と思います。