シンポジウム

「無形文化遺産の保護と持続的発展に向けて」

パネリスト :
  後藤 和子氏 (埼玉大学教授)
  吉田 孝次郎氏(祇園祭山鉾連合会理事長)
  畑 正高氏(香老舗松栄堂主人)
 
キュレーター :
  河島 伸子氏(同志社大学教授)
 
開催日 : 平成23年12月3日
場 所 : 同志社大学今出川キャンバス
参加者 : 150名
 

symposium_1
講演中の堀木エリ子氏

京都に数多くある伝統工芸、伝統祭事などに代表される無形文化遺産を守り、かつ持続的に発展させていくためには、単に保護施策の視点に留まらず、文化の持つ革新的・経済的な側面にも注目していく必要があります。本シンポジウムでは、厳しい局面にある無形文化の存続に焦点をあて、今後の課題と展望を探ることを目的に開催しました。
 
第1部では、和紙の新しく革新的な表現で、国内外で高い評価を受けておられる堀木エリ子さんに「伝統工芸と革新技術~進化する和紙」と題してご講演を頂きました。和紙とは縁の無かった堀木さんが、福井県越前市の武生にある紙漉きの現場で 1500 年続く伝統的で厳かな営みを目にして衝撃を受け、以降、これまで伝統の背後にある日本文化を継承しつつ革新的な和紙を創り上げてこられた経 緯をお聞きすることができました。また、ものづくりは、常に原点回帰が必要であり、壁に突き当たることは、完成への通過点であると繰り返して述べられました。
 
引き続き、第2部のパネルディスカッションでは、3人のパネリストによる「無形文化遺産の現状と課題」について問題提起がなされました。畑正高氏からは、「無形文化を次世代に伝えていくためには、知識があるだけでは駄目で、ハード(道具)やその「使い方」についても学び、更にそれを若 い世代と一緒にやっていく必要がある」と提言がありました。
 
また、吉田孝次郎氏からは、「祇園祭の基本は神に対する祈りの気持ちである。また、戦後に祭りの復興を通じて先人か取り戻した誇りを後世に格調高く継承していく必要があり、そのためには、個々人の生活習慣の中にある心根の部分が大切てある」と見解を述へられました。後藤和子先生からは、無形文化遺産や文化財保護法の定義を踏まえ、「世界経済ては、文化を付加価値として高めることか求められており、その資本となる技や 精神性の蓄えか大切てある」と俯瞰的な意見か述へられました。

ページの先頭へ