開催日 : 平成23年6月14日
場 所 : 立命館大学 朱雀キャンパス
京都の世界遺産17社寺城が初めて一堂に会する、世界遺産「古都京都の文化財」ネットワーク会議を立命館大学朱雀キャンパスで開催しました。
座長を務める永井規男・関西大学名誉教授は、「1994年に世界遺産登録された後、17社寺城がこれまで一堂に会する機会がなかったため横の繋がりが弱い。保存・公開や維持管理も個別の努力にとどまっているのではないか」と問題点を指摘しました。
研究者からは「京都はこの百年で大きく変化している。市街地が急速に増加し、社寺は周囲の火災からも備えなければならなくなった」との見解を示し、近い将来に起こる地震火災による文化遺産が消失するリスクについて警鐘を鳴らしました。また、「社寺近隣の参道や町並みも世界遺産の価値を高める地域にしていくべきである」と景観の問題についても言及しました。
世界遺産所有者からは、本会議を契機に防災や景観などの課題について、所有者間で情報共有を進めていくことについて合意がなされました。また、世界遺産の価値と所有者が抱える課題を府市民に伝えていくための連続講座を開講することや、世界遺産の周辺地域における景観や防災の課題を解決に導くため、専門家による研究会を定期的に開催することも決まりました。