開催日 : 令和元年10月14日(月・祝)
場 所 : 立命館大学朱雀キャンパスホール
参加者 : 約450名
開会挨拶 : 松浦晃一郎氏(明日の京都 会長)
講 演 : 「京都文化の原点とはなにか」
村井康彦氏(国際日本文化研究センター名誉教授)
和歌披講 : 「雁音(かりがね)」
[解説]冷泉貴実子氏(公益財団法人冷泉家時雨亭文庫常務理事)
[披講]冷泉為人氏(公益財団法人冷泉家時雨亭文庫理事長)、冷泉家時雨亭文庫和歌門人
対 談 :「平安王朝文化と明日の京都」村井康彦氏
[聞き手]杉本歌子氏(公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会学芸部長)
司 会 : 草川ひなた氏(同志社大学学生放送局)
・協力:山田松香木店
・ロビー上映:高精細映像(4K)アーカイブプロジェクト作品
「和歌(やまとうた)の型と美 –冷泉家時雨亭文庫-」
監修:公益財団法人冷泉家時雨亭文庫 制作:大日本印刷株式会社、株式会社毎日放送
協力:明日の京都文化遺産プラットフォーム
平安王朝文化は、混沌とした武家の戦国時代、町衆の台頭する江戸から明治へと、様々な変容と進化を遂げながらも存続し、今も京都の街に息づいています。第9回フォーラムでは京都文化の原点に立ち返り、今日、明日の京都を考えるきっかけとすることを趣旨として開催しました。
まず、松浦晃一郎氏の開会挨拶の後、村井康彦氏の講演では「京都文化の原点とはなにか」をテーマに、京都の文化の土壌になったものはなにかという観点からお話しをいただきました。日本における貴族文化は平安京ではじめて育ち成熟した。特に嵯峨天皇の時代に都として定まり、貴族たちが活躍する舞台が整い、その舞台の上で王朝文化も華開いていったのではないかと述べられました。
続いて、和歌の披講が行われました。まず、冷泉貴実子氏より、和歌とは「やまとうた」のことであり、五七五七七でつくられた和歌を歌いあげる儀式が披講ですと解説をいただきました。そして「雁音」と題された3首の和歌の披講を、冷泉為人氏と冷泉家時雨亭文庫和歌会門人の皆様により披露していただきました。
再び村井康彦氏にご登壇いただき、「平安王朝文化と明日の京都」をテーマに、杉本歌子氏を聞き手として、対談形式にてお話しをいただきました。その中では、京都の「いけず」
も平安時代からはじまっていたのではないか。それはひとつの文化であるといえるのではないかと面白くお話をされ、公家、武家そして町衆の平安時代に生きた人々の生き方について語られました。また、今後の都市共同体を維持するためには、京都に多くある大学が地域とのつながりを深めていくことによって、京都の明日に向かっていく力になるのではと述べられました。最後に、土岐憲三氏による閉会の挨拶で幕を閉じました。本フォーラムでは、ロビーにて高精細映像(4K)アーカイブプロジェクト作品「和歌(やまとうた)の型と美 ―冷泉家時雨亭文庫―」の上映が行われました。また、冷泉家ゆかりの香り「八千世」のお香が焚かれ、高貴な香りを堪能いただきました。