はるか昔から「麻」を捧げることで、神々に祈りを捧げてきた日本人。
御神木に太く巻かれたしめ縄に、伊勢神宮のお神札。かつて日本各地で広がっていた美しい麻畑。
戦後80年が経とうとする現在、千年以上続くその継承が危ぶまれている———。
大麻取締法の見直しを踏まえ、日本の神事や伝統文化、麻産業を次世代に「つなぐ」べく、
その第一線で活躍する有識者がこの日、文化創造のまち「京都」に集う。
<開催概要>
■「麻」再起による「神事・文化・産業」振興の未来ビジョン(麻文化の未来図)~次世代につなぐ、日本古来の原風景~
・日 時:令和7年(2025年)2月22日(土)14:00~16:30(受付開始13:30)
・会 場:文化と産業の交流拠点「旧富岡鉄斎邸跡」 【Google Maps】
・参加費:無 料
・定 員:40名(事前申し込み制・応募者多数の場合は抽選)【申込締切:2025年2月17日(月)】
・主 催:明日の京都 文化遺産プラットフォーム
(次世代プロジェクト「コツコツ!日本文化の扉シリーズ」より)
※限られたお席での開催となりますので、お申し込み後のキャンセルのないようご協力願います。
※専用の駐車場はございません。付近のコインパーキング等をご利用ください。
<内容(敬称略)>
・基調講演:吉田 真一郎(近世麻布研究所所長)「麻布から読み解く、持続可能な日本古来の知恵」
・「大麻布」展示鑑賞
・基調講演:新田 均(皇學館大學特別教授)「法改正後の大麻再起による神事・日本文化・産業振興の可能性」
■「コツコツ!日本文化の扉シリーズ」とは
コツコツ!は、扉をたたく音。地道に続けることの価値も含んでいます。このシリーズでは、日本の伝統文化にかかわるさまざまな扉を用意。リアルあるいはオンラインのレクチャー、ワークショップやフィールドワークなど、テーマに応じて開催形式も変わります。年に2〜4回の開催を予定、このシリーズの対象は子供から大人まで。参加者の皆さまをあたたかく迎え、目線を合わせながら一緒に文化を体感し、学び、次世代に繋ぐ流れを創ります。
<登壇者紹介>
吉田 真一郎 / Shinichiro Yoshida
1948年、京都府生まれ。近世麻布研究所所長。エイベックス「麻世妙 majotae(まよたえ)」顧問。近世の麻布の蒐集家・研究家として知られる。美術家でもあり、20代から絵画制作を始める。75年に西ドイツへ渡り、現代美術家のヨーゼフ・ボイスに出会い、帰国後、ボイスの影響から古美術や民俗学を独学で勉強し始める。主に江戸時代の苧麻布、大麻布の繊維と糸の研究を発表してきた。
また西陣織の老舗「細尾」12代目細尾真孝氏と共同で京都・御所南エリアにテキスタイルギャラリー「真妙庵」を創設し江戸・明治時代につくられた、大麻繊維の貴重な自然布のアーカイヴを展示。
奈良県立民俗博物館、東近江市能登川博物館、愛荘町立歴史文化博物館、福島県からむし工芸博物館、新潟県十日町市博物館、San Francisco Craft & Folk Art Museum、国立民族学博物館「布と人間の人類学的研究」(2012年)などで展示と研究を発表。また、山口情報芸術センター(YCAM)で作品「白」を発表。共著に『別冊太陽 日本の自然布』(2004年/平凡社刊)。坂本龍一『2020S』ボックスの木箱を包む布に吉田真一郎とエイベックスが手掛けるファブリックブランド「majotae」の大麻布が採用される。(2020年)
真妙庵(しんみょうあん) https://www.instagram.com/shinmyouan/
麻世妙 majotae(まよたえ) https://www.majotae.com/
新田 均 / Hitoshi Nitta
1958年、長野県生まれ。日本の憲法学者、政治学者、神道学者。皇學館大学特別教授。神道政治連盟政策委員。伊勢麻振興協会理事。一般社団法人麻産業創造開発機構理事長。日本大麻生産者連絡協議会事務局長。専門は日本近代政教関係史。
2016年9月19日、『神社新報』に掲載して以後、神事用の国産大麻の生産を促進する活動を始める。国産大麻繊維を使用する伝統文化の存続、栽培技術の継承などが課題となっている中、大麻繊維の伝統的な活用などを推進していくことに尽力し、大麻取締法の改正に取り組む。「国産大麻の安全性に関する誤解が解かれ、日本の衣食住を支えてきた麻の復権につながり用途が広がれば南勢地域の有力な作物になり得る。(伊勢麻振興協会 理事 新田均)」
一般社団法人伊勢麻振興協会 https://www.iseasa.com/
一般社団法人麻産業創造開発機構 https://hidojapan.org/
<会場詳細>
文化と産業の交流拠点「旧富岡鉄斎邸跡」
所在地 〒602-0918 京都市上京区室町通一条下ル薬屋町429
(地下鉄「今出川駅」6番出口より徒歩約7分) Google Mapsで開く
■旧富岡鉄斎邸について
学者でありながら生涯1万点以上の書画作品を残した「日本最後の文人」と称される富岡鉄斎(1836~1924年)の旧邸宅。茶室「福寿庵」や、鉄斎が「無量寿仏堂」と名付けていた画室などがある。文化財的な価値を有していた本施設は増改築等を行い、京都府議会議員公舎(1947~2012年)として利用されていた。2024年には、文化庁京都移転事業の一環として「文化と産業の交流拠点」へと新たに生まれ変わり、京都の伝統産業の技を取り入れた整備に、ドアノブや手洗鉢、ランプシェード等には京焼・清水焼等が活用されている。
※この企画は、事前申し込み制です。応募者多数の場合は抽選となります。
【申込締切:2025年2月17日(月)】