第1日目
開催日 : 平成28年8月2日
場 所 : 田畑染飾美術研究所
講 師 : 五代 田畑 喜八先生
第2日目
開催日 : 平成28年8月3日
場 所 : 元西陣小学校
講 師 : 伝統工芸士 森垣 哲夫先生 / 潮田 弘志先生
子どもたちが、京都の伝統工芸である京友禅について学び、体験することを通して、伝統ある染色の世界に触れ、身近なものとして捉えてほしいと、今回で第6回となる「友禅体験学習」を開催しました。
【1日目】
1日目の講師は江戸時代(文化文政年間)より200年ほど続く友禅染の名門、田畑家の五代 田畑 喜八先生です。着物の図案、配色のデザインまで考案する仕事場で、沢山の資料に囲まれ、京友禅の特徴や歴史、工程についてお話いただきました。
講義の後は、田畑染飾美術研究所の2階で下絵の工程を見学しました。「友禅机」という机で生地を乾かすために炭火を置いて作業すること、使用する炭は「桐炭」といって火の粉が散って生地が焼けることのないよう粒子の非常に細かい特別な炭を用いていること、現在では多くの工房が電熱器などを使用するようになり、炭火を用いる工房はほとんどないことなど田畑先生から説明がありました。
続いて堀川六角の引染木村さんまで15分ほど歩き、引染の工程を見学しました。
引染とは、生地に地色を染める作業です。水平に張った長い生地に染料を刷毛で染めていく職人さんの技術に目を見張りました。一見簡単そうに見えますが、均一に染めるにはやはり熟練した技が必要だそうです。工場はとても蒸し暑いのですが、京友禅には、ゆっくり、じっくりと乾いていくこの蒸し暑さが重要だと先生からお話もありました。
【2日目】
前日、田畑先生の講義や引染工場の見学で学んだことを元に、友禅染の体験を行いました。
伝統工芸士の森垣先生、潮田先生から説明を受けた後、伸子(しんし)に張った生地に、一人ひとりが色を差します。皆真剣に取り組み、それぞれの思いがこもった素敵なハンカチが完成しました。
作品は、京の七夕のイベント期間中(8/6-12)堀川会場の一条戻り橋付近に展示し、友禅流しの様子を再現しました。
猛暑の中2日間連続のイベントでしたが、子ども達の一生懸命取り組む姿に深く感心しました。
この体験を通じて、京都の伝統文化について考える一つの機会となってもらえたら、と思います。