会長
松浦 晃一郎
(第8代ユネスコ事務局長)

平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、日本全体に甚大かつ深刻な被害を与え、今もなお、多くの方が苦労を続けておられます。このような大災害から立ち上がるためには、コミュニティの力を結集することが何より大切です。復興のために努力しておられる、関係各位に心より敬意を表します。
 
この大震災以降、既存の価値観は大きく転換され、これまで以上に持続可能な社会の構築が求められています。今後の日本はどうあるべきでしょうか。私はこの問いの1つの答えとして、日本が持つ文化のポテンシャルを大きく開花させていくべきではないかと考えています。日本人にとって、文化はそれほど身近で大きな存在であると考えています。
「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」は、有形・無形の文化遺産をしっかり保全していくこと、そして新たな文化を創造していくことに取り組みたいと考え、平成22年10月に発足いたしました。
 
具体的には、京都の文化遺産所有者のネットワーク化をはかり、行政や研究者と協同して文化遺産の文化的・歴史的価値をより深く広めていきます。また、歴史都市京都に関する共同研究を行い、修復技術を持つヘリテージ・マネージャーの育成も視野に入れています。そして、京都というコミュニティのメンバーである皆さんが、これまで以上に京都の文化や歴史について関心を高め、文化遺産の持つ景観・防災の課題に理解を深めて頂けるようなネットワークを形成したいと考えています。
 
私は、このようなプラットフォームの取組みが布石となり、日本全体に文化を通じた強い連帯感が生まれることを期待しております。
 
最後になりますが、皆さま方におかれましては、今後とも本活動を見守って頂き、引きご指導ご支援を頂きますようお願い申し上げます。

PROFILE
まつうら・こういちろう
山口県出身。1937年生まれ。59年4月に東京大学法学部中退、外務省へ入省。61年6月米国ハヴァフォード大学経済学部卒後、経済協力局長、北米局長、外務審議官(先進国サミットのシェルパ兼任)等を歴任。94年に駐仏大使、98年に世界遺産委員会議長。その後、99年11月にユネスコ事務局長(第8代)に就任(〜09年11月)。公益財団法人日仏会館理事長(10年〜)。パソナグループ社外役員 他。立命館大学学術博士号取得(11年)。

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