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世界遺産条約採択40周年記念事業 第2回フォーラム「明日につなげよ、京の文化」
開催日 : 平成24年10月29日
場 所 : 立命館大学朱雀ホール
参加者 : 500名
パネルディスカッション「文化遺産を災害から守る~来し方行く末~」
ユネスコの世界遺産条約採択40 周年を記念して、第2 回フォラーム「明日につなげよ、京の文化」を、立命館大学朱雀キャンパスで開催しました。このフォーラムには京都府民、市民を中心に約500 名が参加しました。
会長の松浦晃一郎(前ユネスコ事務局長)は「世界遺産条約採択40 周年記念の今年は、国連環境開発会議(地球サミット)の20 周年でもある。持続可能な開発が人類全体の大きな課題となる中、世界遺産と地球社会の果たすべき責任・役割が問われている」と挨拶した。
基調講演では、ユネスコ親善大使(茶道裏千家前家元)千 玄室氏より「伝統文化を教育上どのように若者に周知するか」という問題がテーマとなった、パリ本部での親善大使会議の議論の紹介や、「世界遺産は突如として現れたものではなく、先人の叡智と情熱の結晶であり感謝の心と謙虚さを忘れず大切に守り伝えていくことが、現代に生きる私たちの責任である」と述べられた。
パネル討論「文化遺産を災害から守る~来し方行く末~」では、パネリストの土岐副会長が日本付近で起こる地震の種別(海溝型・内陸型)とその影響度を説明し、断層が多い京都が内陸地震と火災に弱いことを踏まえ未来への備えを訴えた。また、高台寺公園と清水寺境内にある1500tの耐震型防火水槽について紹介し、こうした整備を市内全域に広げていくことの必要性について言及した。
田中安比呂氏(上賀茂神社宮司)からは、1400 年以上の歴史を有する上賀茂神社は、式年遷宮により継承されていることを述べられた。これは職人の技術を伝承する意味も持ち合わせ、井桁に組んだ土台の上に建てられている神社の建物が地震でも倒壊しにくいことも説明された。しかし、「1336 年、1476 年の火災で建造物と多くの古文書を失った。やはり、火災が一番怖いため、地域の協力も得ながら夜間パトロールや大規模な消防訓練により境内を守る努力をしている」と課題や対策について説明された。杉本歌子氏は、杉本家が幾度もの大火により類焼し、その都度、再建を果たしてきた歴史や、現在の母屋が1870 年の再建の際に防災の備えをしたことを説明され、「当家に伝わる定め書きには、毎晩の見回りや出火の際の役割分担が事細かに書かれており、自家製の『火用心』札を貼るなど対策をしている。現在は消化バケツ、消火器、自動火災報知機などの備えがあるが、地震が起きたことを考えると初期消火による延焼を防ぐための地域の貯水槽や消火栓の備えが必要である」と訴えた。
杉本歌子氏は、杉本家が幾度もの大火により類焼し、その都度、再建を果たしてきた歴史や、現在の母屋が1870 年の再建の際に防災の備えをしたことを説明され、「当家に伝わる定め書きには、毎晩の見回りや出火の際の役割分担が事細かに書かれており、自家製の『火用心』札を貼るなど対策をしている。現在は消化バケツ、消火器、自動火災報知機などの備えがあるが、地震が起きたことを考えると初期消火による延焼を防ぐための地域の貯水槽や消火栓の備えが必要である」と訴えた。
討論に先だって、狂言大蔵流 茂山千五郎家当主の茂山千五郎師による「那須語」が披露された。最後に、村井副会長が鼎談の内容について振り返りながら、江戸時代の京都見聞録を引き合いに、「火災など災害を防ぐ上で謙虚さも必要」と語られ閉会の挨拶とされた。
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