シンポジウム

無形文化遺産シンポジウム「人類とミクロの世界 ~新型コロナ禍を契機に考える~」を開催しました

開催日 : 令和3年3月28日(日)
場 所 : 立命館大学朱雀キャンパスホール
参加者 : 約100名
 
開会挨拶 : 松浦 晃一郎氏(明日の京都会長・第8代ユネスコ事務局長)
講  演  Ⅰ : 「今、見直されるライフサイエンス」
      仲尾 功一氏(タカラバイオ株式会社代表取締役社長)
映  像  詩 : 「横山大観~生々流転~」曲目:行雲流水(ながれぐも)
      琴:福原 左和子氏 尺八:ジョン・海山・ネプチューン氏
講  演  Ⅱ : 「ゴリラが見た新型コロナと現代文明」
      山極 壽一 氏(京都大学名誉教授)
閉会挨拶 :  土岐 憲三氏(明日の京都副会長・立命館大学特別研究フェロー)
司     会 : 川崎 萌 氏(京都女子大学放送研究会)
 
人類の文明史はペスト・コレラ・スペイン風邪等、感染症との闘いの歴史だったとも言え、新型コロナウイルスの猛威はミクロの世界と人類の関係を否応なく考えざるを得ない状況に至らしめました。コロナ禍をこえて、現代文明はどこに向かうのだろうか。
今回のシンポジウムでは、バイオテクノロジーを駆使し、新型コロナウイルスとの闘いを支援する事業でも活躍するタカラバイオ株式会社代表取締役社長・仲尾功一氏、ゴリラの生態研究からスタートし、広い視野から現代文明を論ずる京都大学名誉教授・山極寿一氏に、それぞれの専門分野から「人類とミクロの世界」について語っていただきました。

 
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 松浦晃一郎会長の開会挨拶で幕をあけ、その後、「今、見直されるライフサイエンス」と題して、仲尾功一氏(タカラバイオ株式会社代表取締役社長)が講演しました。
講演では、遺伝子・細胞の解析技術から遺伝子・細胞を新しいモダリティ(治療法)として創造する研究についてお話をされました。PCR検査は、従来法では採取から4~6時間かかっていたものが、唾液から採取するダイレクトPCR法によって大幅に短縮することができるようになったことや、ウイルスは変異をして拡がっていくものであり、日本における第2波、第3波も日本国内で変異した変異株だというお話をいただきました。まとめとして、ライフサイエンスは医者や学者など特定の人が知っていればよいものから、withコロナにおいては現代人にとって必須のリテラシーになったと述べられました。
 続いて、近代日本画家の巨匠、横山大観が水の一生を描いた画巻「生々流転」の映像を上映し、福原左和子氏による琴、ジョン・海山・ネプチューン氏による尺八の演奏とともに、お楽しみいただきました。
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 シンポジウム後半の部、山極寿一氏(京都大学名誉教授)の講演では「ゴリラが見た新型コロナと現代文明」と題し、ゴリラからみた人間の世界、現代文明がおかれている状況についてお話をいただきました。未知のウイルスは野生動物を介して家畜・人間に感染するようになり、新型コロナウイルスは「人々が密集して大集団をつくる」、「人や物がグローバルな動きをする」という現代社会の特性に乗じてパンデミックを引き起こしたと話されました。現代は不安の時代になり、「安全=安心」ではなく、人とのつながりや信頼といった目に見えない網の上に安心が成り立っていることを考える必要性について触れられました。コロナ後の社会については、シェアを増やすこと、コミュニケーションのとれる街づくりを目指すことなど、多くの提案をいただきました。
閉会挨拶では、土岐憲三副会長が、本日講演・演奏いただいた皆様の出演の経緯を紹介され、ご来場の皆様、ライブ配信で視聴していただいた方々への感謝の言葉を述べられて、閉会となりました。

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