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無形文化遺産シンポジウム「京都に日本があってよかった」を開催しました

更新日:2022年3月15日

開 催 日 : 令和4年(2022年)3月5日(土)
場   所 : 立命館大学朱雀キャンパスホール、オンライン配信
参 加 者 : 約200名
 
開会挨拶 : 松浦 晃一郎氏(明日の京都会長・第8代ユネスコ事務局長)
基調講演 : 「京都に日本はあるのだろうか?」
      佐伯 啓思 氏(京都大学こころの未来研究センター特任教授)
舞  踊 : 「うずめ」
      藤間 勘須和 氏、新内 志賀 氏(地方)、滝本 ひろ子 氏(囃子)
パネルトーク :「文化観光都市としての京都」
      舟本 浩 氏(国土交通省観光庁総務課長)
      坂口 博翁 師(別格本山覚勝院名誉住職)
      鈴鹿 可奈子 氏(株式会社聖護院八ッ橋本店専務取締役)
      [コーディネーター]村上 祐子 氏(元KBS京都アナウンサー)

閉会挨拶 :  山本 壮太 氏(古典の日推進委員会ゼネラルプロデューサー)
司     会 : 大島 美留 氏(KUBS京都大学放送局)
 
 京都は1200年を超える日本文化の集積地であり、「日本の文化首都」だと言えます。美しい歴史的町並み、そこに暮らす人々の精神・文化的営みは、国内外を問わず多くの人々の心を魅了してやみません。しかし、近年では、観光客の急増による京都の町並み保全や市民生活への影響が顕在化し、さらには、コロナ禍によってドラスティックな危機に直面した観光産業。日本にとって世界にとって、京都はその存在価値をどのように示していくべきだろうか。世界的な観光都市・京都を展望する機会としてシンポジウムを開催しました。
 コロナ禍以前にはインバウンド施策により商業的観光として多くの観光客が京都に訪れました。一方で「観光公害」という言葉に象徴されるように観光客の増加はあまりにも急激だったことにふれ、今後はそこに住んでいる人の息吹が感じられるような体験的観光と商業的観光の二つを組み合わせていくことが大切だと述べられました。高度成長期以降、その成長に疲れて京都に行けばまだ日本があると思い京都がブームになり、今またグローバリズムの中で経済成長が停滞し競争が激しくなる中で、もっとはんなりとやっていく精神を求めて京都がブームになっている。「京都には文化があり、京都しか日本を支えるところはないでしょう」と来場者に語りかけました。
 
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 藤間勘須和氏による創作舞踊「うずめ」が披露された後、元KBS京都アナウンサーの村上祐子氏の進行で「文化観光都市としての京都」をテーマにパネルトークが行われました。
 株式会社聖護院八ッ橋総本店専務取締役の鈴鹿可奈子氏からは、文化が生活の中に根付いているのが京都。京都に訪れた方を温かく迎え、観光と市民生活との調和を実現するための工夫を考えていきたいと話されました。
 別格本山覚勝院名誉住職の坂口博翁師は、五感に残るような観光のあり方や、これまでの視点とは違った交流を生み出すことの必要性に言及されたほか、交通機関の整備を含む次の観光について提言されました。
 国土交通省観光庁総務課長の舟本浩氏は、急激な観光客の増加や観光消費の増減について説明され、観光は市民生活と背反するものではなく、文化財や伝統工芸を守り、より豊かなものにするための手段であると述べられました。

 

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 最後に、古典の日推進委員会ゼネラルプロデューサーの山本壯太氏が、市民生活と観光とのバランスの大切さをあらためて訴えかけ、観光こそが最大の平和外交であるとして、世界で起きている戦争の終結を願い、シンポジウムを締めくくりました。

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